製造工程と合金特性
超硬合金の製造工程

超硬合金の特性
合金組織(粒度、Co量)と特性(硬度、抗折力)
超硬合金の物質特性(硬度、抗折力)は、バインダー(結合材)量や炭化タングステン(WC)の粒度により変化します。
Co量が増えると硬度は下がり、抗折力は上がります。逆にCo量が減ると硬度は上がり、抗折力は下がります。
粒度と硬度・抗折力
より微粒のWCを用いることにより、高い抗折力と硬度を得ることができます。但し、破壊靭性はより粗粒のWCを用いたものの方が上がります。
(下記「合金組織(粒度)と破壊靱性」ご参照)
HIP処理による抗折力の改善
すべての丸棒素材にはHIP処理を行い、微細な欠陥を制御します。これにより緻密な組織が得られ抗折力がさらに向上します。
*HIP(Hot Isostatic Pressing)
アルゴンガスなどを圧力媒体とし、炉の中で高温・高圧で合金を処理するプロセスのこと。
合金組織(粒度)と破壊靱性
亀裂進展モデル

A:結合相内進展
B:結合相 - WC界面進展
C:WC内進展
微粒合金
粗粒合金
亀裂の進展防止にはより粗粒のWC材質が有効であり、刃先のチッピング防止にも効果的です。
各種粒度の超硬合金
エンドミルやドリルにはWC粒径が1㎛以下の超々微粒または超微粒の超硬合金が一般に用いられます。
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超々微粒合金
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微粒合金
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中粒合金
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粗粒合金