超硬合金とは

超硬合金とは

1923年にドイツで開発された炭化タングステン(WC)の粉末を結合金属であるコバルト(Co)を用いて高温で焼き固めたものです。必要に応じて炭化チタン(TiC)や炭化タンタル(TaC)が添加されます。

硬度が非常に高く、特にほかの金属に比べて高温時の硬度低下が少なく、熱伝導率が高いことが特徴です。

写真:代表的な超硬合金組織

超硬合金の特性(工具鋼との比較)

〔数値はWC-7%Co組成の耐摩用超硬合金と工具鋼の比較〕

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摩耗し難い 硬い(Hv:15GPa) 硬さは工具鋼の約2倍
弾性変形し難い ヤング率が大きい(E:620GPa) 工具鋼の約3倍
塑性変形し難い 圧縮強度が大きい(σ:5.3GPa) 工具鋼の約2倍
熱膨張が小さい 線膨張係数は(α:5×10-6/K) 工具鋼の約半分
熱がこもり難い 熱伝導率が大きい(κ:80W/(m・K)) 工具鋼の約5倍
加熱変態がない(焼鈍されない) 耐熱性に優れる
腐食し難い 耐食合金ができる(WC-Ni-Cr系)

超硬合金の使われ方

この特性を生かし、NC旋盤やマシニングセンターに使用される切削工具の刃先や金型などに採用されています。従来の鋼を熱処理して作られた工具に比べて、圧倒的な加工速度と工具寿命を実現し、年々その使用量は増えています。超硬合金工具で加工される製品は多岐にわたり、自動車・建設機械のエンジン・減速機、航空機のエンジン・機体、発電機、掘削機器、金型、電子機器など多くの加工分野で使用されています。